新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除され、客足が戻りつつある兵庫県豊岡市の城崎温泉(同市城崎町湯島)で9日、地元の若手経営者ら22人が温泉街の中心部を流れる大谿川を掃除した。本来なら最も宿泊客が多いカニシーズンに観光客が激減、厳しい状況が続く。メンバーは「美しい状態でお客さんを迎え入れたい」と精を出した。
同市商工会城崎支部の青年部が企画。例年は秋ごろに「クリーン作戦」を展開するが、今年は年度最後の例会に合わせて実施した。「春の美しい桜並木を楽しんでもらいたい」と久保田一平部長(39)は話す。
メンバーは胸元まである防水スーツを着て川の中を歩き、空き缶やタオルなどのごみを拾い集めた。
旅館「泉都」社長の藤原範之さん(36)は「本年度は本当につらい一年だった」と振り返り、「今後も団体のツアー客は見込めず、宣言解除後も自粛ムードが続く。楽観はできないが、できることからやるしかない」と表情を引き締めた。(石川 翠)









