18日投開票の兵庫県知事選で、各陣営が投票率の動向に気をもんでいる。期日前投票(2~11日)は、前回4年前の同時期より38%上がり好調なペース。ただ投票当日の「密」を避けるため、早めに票を投じた有権者も多いとみられ、新型コロナウイルス下で投票率低下を懸念する声は多い。
県選挙管理委員会によると、期日前投票では11日までに有権者の約5%が投票を済ませた。「密」回避のため熱心にPRしてきた担当者は「最終的な投票率アップに結び付けたい」とする。ただ知事選は、市町長選や国政選挙に比べ関心が薄いとされてきた。
「投票に行かないと何も変わりません」。支援団体など後ろ盾のない候補者は浮動票を取り込もうと、街頭演説で投票を呼び掛けてきた。陣営も「20年ぶりにトップが交代する選挙でもあり、関心は高いはず」とみる。
別の陣営も「コロナ対策に期待して若い世代が投票に行ってくれれば、勝利に近づく」とするが、一方で「コロナ下の外出控えなどから、さほど盛り上がりは感じられない」と漏らす。
「一概に投票率が上がってほしいとはいえない」と明かす陣営も。都市部の無党派層の受け皿になりやすい「日本維新の会」が推薦する、対立候補への警戒心からだ。
また感染対策から思うように集会などが開けず、「どれくらい支持を広げられたか、肌感覚で分かりにくい。今回は票も投票率も読みにくい」との声もある。
兵庫を含め東京、大阪などに緊急事態宣言が発令された昨年4月以降、各地の知事選では投票率の低下が目立った。昨年10月の岡山県のほか、今年4月の福岡県や秋田県ではいずれも過去最低に。一方で保守分裂となった岐阜県、富山県では投票率が上昇した。(まとめ・末永陽子)
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