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妊婦らへの優先接種を知らせる姫路市のホームページ
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妊婦らへの優先接種を知らせる姫路市のホームページ

 千葉県柏市で、新型コロナウイルスに感染した妊婦が自宅で早産し、新生児が死亡した問題で、兵庫県内でも8月に入り、妊婦が感染し、自宅療養を余儀なくされるケースのあることが関係者への取材で分かった。産婦人科の医師らは「兵庫でも千葉と同様の問題が起こり得る」と妊婦らへの早期の対応を要望。県は各市町に妊婦へのワクチン接種の推進を通知し、姫路、明石、たつの市の少なくとも3市は妊婦らに優先接種する方針を打ち出している。(高田康夫)

 厚生労働省が作成した新型コロナの「診療の手引き」では、妊娠中に感染しても「重症化率や死亡率は同年齢の女性と変わらない」とする一方、妊娠後期の感染では「早産率が高まり、患者本人も一部は重症化することが報告されている」としている。妊婦が感染すれば入院が原則だが、病床が逼迫(ひっぱく)している場合、医師が判断すれば、丁寧な健康観察を前提に宿泊療養や自宅療養が認められている。

 高齢者の重症化が問題だった第4波までは感染する妊婦はほとんどいなかったが、若者を中心に感染が広がる第5波では、県内でも感染する妊婦が増加。神戸市によると、8月20日時点で4人が入院し、自宅療養中も3人いるという。姫路市では同9~16日だけで妊婦5人が陽性になっているという。県全体でも「増えているのは間違いない」(県医務課)とするが、感染した妊婦の人数は把握できていない。

 神戸市中央区のパルモア病院では、8月に入って2週間で通院する妊婦3人が感染した。ほかの病院でも急増の情報があり、山崎峰夫院長は「千葉のケースは対岸の火事ではなく、どこで起きてもおかしくない」と危機感をあらわにする。

 県産科婦人科学会の会長も務める山崎院長は、県や市町に対し、妊婦の同居者が感染した場合は優先して宿泊療養施設などに入ることができるよう求め、妊婦と同居者へのワクチン接種を優先的に進めることを要望する。

 姫路市はいち早く妊婦とパートナーへの優先接種を発表した。妊婦はかかりつけの産婦人科で接種できるようにし、パートナーは今月29日に接種枠を設けて希望者を募集する。たつの市も未接種の妊婦に個別に優先接種の案内を送付。明石市も優先接種の方針を示している。

 兵庫県も20日付で各市町に妊婦らへの接種を積極的に推進するよう通知。斎藤元彦知事は23日の会見で、県内18医療機関が感染した妊婦に対応していることを説明した上で、「一般のコロナ病床と同様に枠があり、感染予防とワクチン接種が大事」と訴えた。

 ただ、妊婦の中にはワクチンの副反応などに不安を感じる人も多い。日本産科婦人科学会などは、妊娠時期を問わず接種することを勧めており、山崎院長も「ワクチンに不安を持つ妊婦も多いが、メリットの方が大きい」と話す。

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