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身体障害者が水陸両用の車いすを使い、海水浴場を訪れたモニターツアー=2020年9月、豊岡市竹野町(ひょうご観光本部提供)
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身体障害者が水陸両用の車いすを使い、海水浴場を訪れたモニターツアー=2020年9月、豊岡市竹野町(ひょうご観光本部提供)

 兵庫県は障害の有無や年齢に関係なく旅行を楽しめる「ユニバーサルツーリズム」を加速させる。全国初の条例化を視野に、観光・交通事業者の認証や添乗員を養成する研修制度整備など、支援策を検討する。体が不自由な高齢者や障害者ら、旅行を諦めていた人たちが安心して外出できる仕組みをつくり、新たな市場創出につなげたい考え。(大島光貴)

 「ユニバーサルツーリズムの推進に関する検討会」を新設し、18日に初会合を開く。委員には学識経験者のほか、サービスを提供する旅行・交通・宿泊業や、利用する高齢者・障害者団体の代表らを招く。斎藤元彦知事が公約に掲げた「ひょうご福祉の観光県条例」(仮称)の制定を目指す。

 高齢者や障害者は全人口の3割強を占めるが、要介護状態になると旅行頻度が極端に低下するとの調査結果がある。県では、ひょうご観光本部が2015年度からユニバーサルツーリズムの普及啓発や情報発信、旅行商品化に取り組んできた。斎藤知事の就任を受けて10月に担当職員を増強し、事業拡大に踏み切る。

 新たに立ち上げる検討会には、長野県でユニバーサルツーリズムの普及に尽力している信州大の加藤彩乃講師▽医療ケアや介護が必要な人向けの旅行を支援するNPO法人しゃらく(神戸市須磨区)の小倉譲代表理事▽「神戸ユニバーサルツーリズムセンター」を運営するNPO法人ウィズアス(同市長田区)の鞍本長利代表理事-ら11人が参加。月1回のペースで会議を開き、有効な施策を検討する。

 県は寝たきりの人がベッドのまま移動、入浴できたり、ホテルの客室に点滅式ブザーが付き、聴覚障害者が認識しやすくなったりする環境整備を期待。斎藤知事は15日の会見で「障害者や高齢者も含め、旅行しやすい観光県を目指す」と述べた。

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