兵庫県淡路島の東海岸にそびえ立つ白亜の巨像が、工事用の足場に覆われた。解体撤去工事が進む淡路市釜口の「世界平和大観音像」。像は高さ約100メートル。高層ビルのように周囲を囲む足場の中から、頭部と右手だけをのぞかせ、不思議な光景をつくり出している。
観音像は1982年に観光施設として建造されたが、2006年に閉鎖。長く放置されて老朽化が進み、壁の一部が落下するなどして危険なため、昨年3月に国の所有となり、今年6月から解体工事が始まった。
財務省近畿財務局などによると、観音像の優しげな表情を拝める期間は残りわずか。現在は高さ約80メートルに位置する像の首元まで足場が組まれ、来年1月下旬までに像全体が覆われる。
観音像は来年6月ごろまでかけて解体される見通し。さらに、台座なども撤去し、全ての工事を終えるのは再来年の23年2月下旬を予定している。(辰巳直之、吉田敦史)









