「十日えびす」の10日、商売繁盛の神様・えべっさんの総本社、西宮神社(兵庫県西宮市)では、参拝者が本殿を目指して境内を駆ける恒例行事「福男選び」が2年連続で新型コロナウイルス感染防止のため中止になった。代わりに、昨年に引き続き「開門神事」が行われ、参拝者約500人が本殿に向けてゆっくりと参道を歩いた。
今年は徒歩ならではの取り組みとして、ベビーカーの親子連れや小学生らを優先的に行列の先頭にした。
午前5時45分、表大門前に集まった参拝者はおはらいを受け、午前6時、「開門」の掛け声で門が開くと、神事を運営する「開門神事講社」のメンバーに先導されて境内へ。参道を進んで本殿に到着するとかしわ手を打ち、家内安全や商売繁盛を願った。
福男選びに参加した経験がある尼崎市在住の女性(32)は夫(29)、長男(1)と3人で行列の先頭を歩き「一番福になった気分」と目を輝かせていた。
神戸市兵庫区の柳原蛭子神社でも、昨年に続き人形浄瑠璃や神輿は中止。露店もなく、神社側が参拝者らに複数列に広がり間隔を空けるようマイクで呼び掛けていた。
(斎藤雅志、小野萌海)