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新型コロナウイルスの飲み薬「モルヌピラビル」(商品名・ラゲブリオ)
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新型コロナウイルスの飲み薬「モルヌピラビル」(商品名・ラゲブリオ)
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 国が対策の切り札と位置付ける新型コロナウイルスの飲み薬。国内では昨年12月に「モルヌピラビル」(商品名・ラゲブリオ)が薬事承認され、実用が始まった。厚生労働省の委託機関に登録した医療機関だけが処方できるが、機関名の公表は自治体ごとに対応が分かれ、兵庫県は一般には非公表だ。県民はどこで処方されるか分からないため、医療機関を2カ所経由するなどして時間がかかる場合も想定される。

 新型コロナの飲み薬はほかに、国内2種類目の治療薬「パキロビッド」が今月10日、特例承認された。

 モルヌピラビルは、服用すれば、入院や死亡が30%減るとされる。18歳以上で重症化リスクがあることなどが投与の条件になる。

 まだ安定供給が難しいため一般に流通しておらず、国が所有して医療機関や対応薬局に配分。薬を処方するには、厚労省の委託企業が開設したセンターへの登録が必要となる。

 2月3日時点で県内の登録機関は1097カ所(病院は252カ所)だが、うち実際に薬を置いているのは約2割に当たる257カ所(同143カ所)。院外処方を受けられる薬局は589カ所と、県内の全薬局の2割超にとどまる。

 どの医療機関で処方してもらえるのかについて、県は「処方は本人からの申し出ではなく、医師が判断するため、公開は考えていない」とする。発熱患者らに対応している県内の指定医療機関は1487カ所で、中には薬を処方できる登録機関でない機関もある。

     ◇     ◇

 では、県内で処方してもらうにはどんな流れをたどるのだろうか。

 発熱などの症状がある場合、まず指定医療機関を受診。そこが登録医療機関なら、医師の判断で薬が処方される。登録していなければ、地域の医師会などを通じて登録機関を紹介してもらい、そこで処方される。

 ただ、モルヌピラビルは発症から5日以内に投与することが条件。オミクロン株の爆発的な感染拡大で発熱外来が混み、検査に時間がかかる中、時間的な制約を理由に投与をあきらめる例もないとは限らない。

 「発熱患者に対応する指定医療機関には、なるべく登録をお願いしている」と県感染症対策課。一方で、登録手続き中だという神戸市内の指定医療機関の医師は「登録のための講習会の予約すらなかなかできない上、提出書類も多い。処方したい患者もいるのに、それができない」と嘆く。

 滋賀県は、同意を得られた医療機関や薬局の一覧をインターネットで公開し、医療関係者とも共有。同県感染症対策課は「県民にもかかりつけ医で扱っているかどうかが分かる。薬を処方してもらうために、一手間二手間かけずに、スムーズにアクセスできる」としている。(高田康夫)

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