甲子園球場(兵庫県西宮市)のスタジアム照明を発光ダイオード(LED)に取り換える工事が終わり、阪神電鉄は9日、報道陣に試験点灯を公開した。(浮田志保)
同球場には「銀傘」と呼ばれる大屋根2カ所と外周部4基に、白熱灯や水銀灯、高圧ナトリウムランプの756台を設置していたが、今回全てをLEDに替えた。白色が548台、だいだい色が208台で、二酸化炭素排出量と電気使用量を約60%削減できる。
9日、LEDでは国内の球場で初となる伝統の「カクテル光線」を披露し、ラッキーセブンの「7」の文字を浮かび上がらせた。応援歌「六甲おろし」の音楽に合わせて明滅させたり、歌詞を流したりする演出もあった。
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■甲子園のLED、企業側も試行錯誤 難しかった色は…
甲子園球場のLED化工事は、パナソニックが担当。阪神電鉄は複数の企業が手掛けるLEDを比べ「まぶしさが最も柔らかく(色味の違う照明を組み合わせる)カクテル光線をまめに再現できると見込んだ」と選定理由を明かした。
ただ、パナソニックも試行錯誤を重ねたという。選手がボールを目で追いやすいようにまぶしさを抑える一方で、だいだい色が思った以上に薄くなってしまうという苦労もあった。
担当者は「カクテル光線やラッキー7など伝統を引き継ぎつつ、照明の明滅や映像表現を音楽と連動させるというオンリーワンを取り入れた」と胸を張った。