子どもが新型コロナウイルス感染症にかかった場合にどうすればいいのか、自宅療養のポイントをまとめた手引きを、兵庫県立こども病院(神戸市中央区)がホームページに掲載している。コロナの小児患者に多く見られる症状やすぐに受診が必要な目安、生活場面ごとの注意点などを詳細に記載。具体的な行動に移しやすい内容となっている。資料を監修した同院感染症内科部長の笠井正志医師(50)は「緊急度合いを見極め、必要な場合はすぐ受診を」と呼び掛ける。
コロナの第6、7波では子どもの患者が急増。発熱対応をしている小児科医院やクリニックに患者が殺到し、一時はすぐに受診できない状況もあった。笠井医師によると、同院でも一般病床を転用するなど対応に追われたといい、不安を抱えながら自宅療養せざるを得ない家族の助けになればと作成した。
「自宅療養のポイント」と題した手引きは38ページで、ほぼ同じ内容を5ページに凝縮した要約版も掲載している。
項目は、コロナ感染症に多い五つの症状▽症状ごとの自宅での初期対応▽受診の目安▽陽性になった時に必要な手続き▽食事・風呂・洗濯など場面に応じた自宅療養のポイント-など。
特に気を使ったのは、受診を考えなければならない状態を明示することだ。コロナ禍以降、今夏までの2年半は、インフルエンザやRSウイルスなど子どもの間で多い感染症がほとんど流行しなかった。笠井医師は「子の発熱に対する経験値が少ない親が多くなっていると思う」と指摘し、「食う・寝る・遊ぶができていればひとまず大丈夫。一つでも欠けたら受診を考えて」と助言する。
手引きでは精神的ケアの必要性も記す。不安やストレスを抱えた子は腹痛や頭痛、不機嫌などの症状が現れることもあると紹介。できるだけいつも通りの生活リズムを守ることや、頑張っている子どもたちの聞き役となり、共感や支援を伝えて-と呼び掛けている。
笠井医師は「丁寧にやれば家庭内総倒れを防ぐことはできる。重症化の兆しを見逃さないようにしてほしい」と話した。手引きの内容は、県のインターネット放送局「ひょうごチャンネル」でも紹介している。(小尾絵生)
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