指定暴力団の山口組（神戸市灘区）と「池田組」（岡山市）の抗争とみられる事件が相次いでいることを受け、兵庫、岡山、愛知、三重各県の公安委員会は１８日、両組織を「特定抗争指定暴力団」に指定するための手続きに入ることを明らかにした。

　池田組が拠点を置く岡山市では１０月２６日、理髪店にいた池田組組長が刃物を持った男に襲撃され、直後に組長が住むマンション駐車場でも発砲があった。岡山県警は殺人未遂容疑などでいずれも山口組系組員を逮捕した。

　兵庫県警暴力団対策課によると、山口組は既に神戸山口組（神戸市中央区）との間で特定抗争指定暴力団に指定されているが、池田組との抗争でも一般人に危害が及ぶ恐れが高まったため、新たに指定の手続きに入ることになった。

　指定を受けると、「警戒区域」となったエリア内で組員が５人以上集まることや、傘下組事務所の使用などが禁止される。指定されれば全国で３例目。

　兵庫県公安委は１１月２９、３０日に県警本部で両組織の意見聴取を行う。警察庁によると、構成員の数は２０２１年末時点で山口組が約４千人、池田組が約８０人。