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 全国の家裁で重大少年事件の記録が廃棄されていた問題で、最高裁は13日、廃棄・保存の経緯を調査するとしていた少年事件59件の全リストを公表した。兵庫県関係では、神戸連続児童殺傷事件(1997年)のほか、稲美町で起きた高1集団暴行死事件(同)や御津タクシー強盗殺人事件(2000年)など計5件が廃棄事案として対象となった。

 最高裁は、事件記録の保存の在り方について、有識者委員会(座長・梶木寿元広島高検検事長)を立ち上げて11月25日から検証を開始。同月28日の第2回会合で、少年事件記録や民事裁判記録計約100事件について、経緯を調査する方針を示していた。少年事件では廃棄された52件と、事実上の永久保存に当たる「特別保存」として残されていた7件の両方を調べ、保存制度の運用における課題を探る。

 報道機関から問い合わせを受けた全少年事件を調べるとしていたが、これまでは廃棄事案の対象を「50件余り」、特別保存を「10件足らず」と述べるにとどめ、調査リストは公表していなかった。

 新たに調査対象と分かった稲美町の集団暴行死事件では、97年8月23日夜、県立高校1年の高松聡至さん=当時(15)=が、自宅近くの神社境内で中学の同級生らに集団暴行を受け、亡くなった。また、御津町(現たつの市)のタクシー強盗殺人事件では00年12月27日夜、タクシー運転手が当時16歳のカップルに殺害され売上金を奪われた。

 さらに、05年10月に姫路市の河川敷で少年グループが投げた火炎瓶でホームレス男性が焼死した事件や、10年7月に宝塚市で当時15歳だった少女が別の少女と自宅を放火し家族3人が死傷した事件も調べる。

 一方、全国では記録が廃棄された事案として、長崎佐世保の小6女児殺害事件(04年)や大分・一家6人殺傷事件(00年)、京都・亀岡暴走事故(12年)などがある。特別保存されていた事案では、山口県光市の母子殺害事件(99年)や西鉄高速バス乗っ取り事件(00年)が含まれる。

 最高裁は、有識者委の第3回会合を今月20日に開くと発表。これら事件の調査結果は来年4月ごろをめどに報告書にまとめ、公表するとしている。(霍見真一郎)

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