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丹波移住希望者に「お試し保育」 青垣の認定こども園 豊かな自然の中で子育て体験、地域知る機会に

2022/12/16 05:30

 兵庫県丹波市への移住を考えている家族を対象に、同市の認定こども園が来年1月から、子どもをお試しで預けられるサービスを始める。田舎の子育てを体験し、移住後の生活イメージをつかんでもらうのが狙い。月に12日間まで利用できる「一時預かり保育」を応用。通園エリア以外の都市部からの利用を促し、地域の魅力発信や園児の確保を目指す。兵庫県の担当者は「こうした取り組みは県内では聞いたことがない」とする。(那谷享平)

 お試し保育を始めるのは、同市青垣町の認定こども園あおがき。過疎地域にあり、園児数は過去10年で約50人減って現在は157人。さらなる減少が予想され、園児確保が課題となっている。

 受け入れは4、5歳児のみ。1月16日から始め、2月24日でいったん締め切るが、2023年度に再開し、恒常的なサービスにする方針だ。期間は1組当たり数日から1週間程度を想定。その間、子どもと保護者は市内に宿泊しながら、同市の相談窓口「たんば“移充”テラス」の支援で、家探しなどの情報収集に当たることができる。保育の見学も可能という。

 参考にしたのは、北海道厚沢部(あっさぶ)町の先行事例。同町では21年11月、東京の民間企業や地元団体などが「保育園留学」を始めた。子どもを預かるだけでなく、宿泊先や農業体験などのアクティビティーも用意し、家族で旅先に滞在しながら仕事をする「ワーケーション」を呼び込む。同町によると、キャンセル待ちになるほどの反響で、22年度は140組の利用を見込む。同様の事業は全国に広がりつつあるという。

 この試みをニュースで知った同園の足立光藏理事長(70)は、独自に都市部からの園児を受け入れようと同テラスに相談し、協力を得た。同テラスによると、新型コロナウイルス禍で移住希望の問い合わせが急増。世代は30~40代に若年化し、ニーズはあるとみる。

 同園は「地域と連携し、親が農業体験などに参加できる仕組みも整え、地域の良さを知ってもらえるようにしたい。豊かな自然の中で子どもも学ぶことが多いはず。将来の園児の確保につながれば」とする。

 一時預かり保育は午前8時~午後5時で、4歳児は1日2千円、5歳児は同1500円。予約は市の移住定住ポータルサイト「ターン・ウェーブ」の応募フォームから。申し込み後、保護者と同園でオンライン面談をする。問い合わせは、たんば“移充”テラスTEL090・2705・4110

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