兵庫県丹波市は12日、市の相談窓口「たんば“移充”テラス」を通じた2020年度の移住者が72人(1月末時点)に上り、窓口を開設した15年度以降で最多を記録したと明らかにした。新型コロナウイルス感染拡大で都会の密を避け、田舎暮らしを志向する人が増えているためとみられる。
林時彦市長が、市議会本会議で前川進介市議(ニュートラル)の一般質問に答えた。
市によると、窓口を介した移住者は、15年度=24人▽16年度=23人▽17年度=29人▽18年度=52人▽19年度=56人-。20年度は1月末時点で、前年度より507件多い2091件の相談があり、36世帯72人が移住した。担当者は「テレワーク普及のほか、田舎暮らしを検討していた人がコロナ禍を機に、移住の決断を早めていることが背景にあるようだ」と話す。
兵庫、大阪、京都からの移住者が約8割で、40代以上が約6割を占めており、丹波篠山市より年齢層が高い傾向にあるという。
林市長は「この機を逃さず、移住定住を推進する必要がある」と強調。21年度はオンラインで丹波市での暮らしを紹介するツアーや、希望者の個別要望に添った“オーダーメード型ツアー”を予定しているという。このほか、京阪神での相談会やウェブサイトでの情報発信も続ける。(藤森恵一郎)