都道府県などの地方自治体が発行し、広く投資家から資金を集める債券を公募地方債と呼びます。資金は学校や公園といった公共施設の整備、地方債の借り換えなどに使います。
地方債は「○○県債」や「○○市債」といった名称で発行されます。満期までの期間は5年や10年などがあり、個人投資家が証券会社や銀行などを通して1万円単位で購入できるものがあります。
地方債には、都道府県などが単独で発行するもののほかに、多くの自治体が共同で発行する債券もあります。さらに、購入者を地元住民らに絞った「ミニ公募債」と呼ばれる地方債も注目されています。
地方債は、決まった時期に金利を受け取ることができ、満期を迎えると元本が返済されます。金融機関によって扱っている商品がまちまちなので、購入する場合は何が買えるか問い合わせてみましょう。
地方債は、自治体の信用力をバックにしており、比較的安全性の高い金融商品です。市場の実勢に基づいて決まる国債の金利に若干上乗せされた金利水準で発行されるケースが多いようです。
地方債の金利水準は国債の長期金利に大きく影響を受けるので、長期金利が低いときは、地方債の利率も低下します。このため同じ自治体が発行する債券でも発行時の利率が時期によって異なります。
また自治体によって財政状況が違うので、財政が悪化した自治体ほど金利が高めになる傾向があるようです。
過去に北海道夕張市が財政再建団体に転落した際には、投資家の地方財政を見る目が厳しくなり、国債と地方債の金利水準の差が開きました。
地方債は満期を待たずに途中で売却することも可能です。しかし、その時の金利情勢や自治体の財政状況によっては市場価値が低下し、元本割れするリスクもあるので注意しましょう。