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温度感知の物質発見 優れた女性科学者に甲南大院の高垣さん

2020/09/26 09:00

 優れた研究成果を挙げた若手の女性科学者をたたえる本年度の「ロレアル・ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」に、兵庫県内から甲南大大学院特別研究員の高垣菜式(なつね)さん(28)=尼崎市=が選ばれた。遺伝子が多くの点でヒトと似ているとされる体長1ミリほどの線虫を使って、温度を感知する細胞内の物質を発見した研究が評価された。人間が温度に適応する仕組みの解明につながる可能性があるという。(井川朋宏)

 フランスの化粧品大手ロレアルの日本法人が2006年度から毎年4人程度を選んでいる。

 高垣さんが甲南大4年から同大大学院まで計6年間にわたり研究した成果を、高垣さんを含む同大学院の久原篤教授らの研究チームが今年2月に発表した。

 研究では、野生の線虫を使い、温度を25度にして数日かけて成虫まで育てた後、温度を2度まで急激に下げると、ほとんどが死滅した。一方、温度を15度にして育てた成虫は同じように冷やしても多くが生き残り、涼しい環境で育つと、寒くても生き延びることを示した。

 ただ、涼しい環境で育った線虫でも、触れるなど物理的な刺激に反応する細胞内物質「メカノ受容体」の働きに異常があると、生存率が低かった。こうした解析から、この受容体が温度にも反応していて、低温への耐性に関わっていると結論づけた。

 高垣さんらは、この発見が、寒暖差による過敏症や、アレルギーといった病気の治療薬を見つける糸口になり得るとみている。

 賞を受け、高垣さんは「自信を持つことができた。今後も研究を継続し、発展させていきたい」と話している。

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