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震災犠牲者の遺志継ぐ「竸基弘賞」 救助技術顕彰し10年

2015/01/24 08:22

 阪神・淡路大震災で亡くなった神戸大大学院生の竸(きそい)基弘さん=当時(23)=の遺志を受け継ぎ、レスキューシステムの研究者らの功績をたたえる「竸基弘賞」の授賞式が23日、神戸国際会議場であった。創設から10年。今年はロボットの研究などで6人が受賞した。(高田康夫)

 「ドラえもんのように人を癒やすロボットを作りたい」と夢を語っていた竸さん。震災後、神戸大の研究者らがレスキューロボットの研究を始め、2005年、恩師らでつくるNPO法人「国際レスキューシステム研究機構」(神戸市長田区)が同賞を創設した。

 東北大大学院准教授の昆陽雅司さん(39)は、数センチのがれきの隙間に入るヘビのようなカメラの研究開発で受賞。阪神・淡路直後に神戸大に入学した竸さんの後輩で、「遺志を引き継いで努力したい」と話した。

 震災から20年。レスキューロボットは活躍の場を広げ、受賞者の技術が東日本大震災でも活用されている。同賞の10年を迎えられないまま12年に亡くなった父和巳さん=当時(71)=の遺影とともに参加した母恵美子さん(67)=名古屋市緑区=は「受賞された方にこれからも活躍していただければ」と期待した。

 その他の受賞者は次の通り。(敬称略)

 深尾隆則(神戸大大学院准教授)▽岡田聡(日立製作所日立研究所主任研究員)▽近藤久禎(国立病院機構災害医療センター教育研究室長)▽若島孔文(東北大大学院准教授)▽高森年(神戸大名誉教授)

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