神戸市灘区の市立王子動物園でこのほど、かつてゴリラを飼育していた屋外の獣舎が、来園者向けに開放された。2015年から使っていなかったが、今は新たな動物を展示する予定もないため、しばらく活用する。早速訪れた子どもらはゴリラが歩いていた草地を踏みしめたり、獣舎の秘密に迫るクイズに挑戦したりした。
獣舎はもともとトラやライオン用に造られたものを、03年にゴリラ用に改修。緩やかな斜面の約880平方メートルで中央に洞窟風のシェルターがあり、観覧用のガラス面以外はコンクリート塀で覆われている。
15年にニシローランドゴリラの「サクラ」が死んで以来、使われていない。個体数の減少など、ゴリラを取り巻く厳しい環境について知ってほしいと、園が初めて企画した。
場内にはサクラなどの等身大パネルが並び、子どもたちは「ウホウホ」とまねたり胸をたたいたりしながら、順路へ。7枚のパネルに記されたクイズを解きながら、ゴリラが減った理由や獣舎にある意外な設備について理解を深めた。
大阪府高槻市から来た小学2年の女児(7)は「歩いてるうちにゴリラの気分になってきた!」と満面の笑みだった。(井上太郎)









