災害時の避難所で栄養バランスの整った食事を取ってもらえるようにと、神戸市灘区の神戸松蔭女子学院大学で19日、管理栄養士を目指す食物栄養学科の学生らが、炊き出し訓練を行った。プロパンガスなどを使って約200食を作り、学生や職員らに振る舞った。
日本栄養士会災害支援チームのメンバーでもある作田はるみ准教授が指導し、6年前から実施している。3、4年生34人が参加し、災害発生から約1カ月後を想定して「缶詰や干物など家にある食材を使った日常に近い食事」をテーマに、洋風と和風の2種類の献立を考えた。
災害時は疲労やストレスなどで免疫力が落ちやすく、食事の栄養バランスも偏りがち。主食の「ごぼうとサバの炊き込みご飯」には栄養強化米を混ぜて、不足しがちなビタミンやミネラルを補給した。デザートのごま団子は、あんの間にサツマイモをはさんで栄養価と食感を向上させた。
管理栄養士として施設や学校園などに就職する学生も多く、4年の女子学生(22)は「何が備蓄されているかを常に把握しておき、いざというときも栄養バランスを考えた食事を作りたい」と話していた。(広畑千春)