角界の看板力士として長く活躍した貴景勝(左)=1月、両国国技館(撮影・持木克友)
角界の看板力士として長く活躍した貴景勝(左)=1月、両国国技館(撮影・持木克友)

 大相撲の元大関で休場中の西関脇貴景勝(28)=本名佐藤貴信、兵庫県芦屋市出身、常盤山部屋=が20日、現役引退を決意した。同日に日本相撲協会へ引退届を提出。10勝以上での大関復帰を目指した秋場所で初日から2連敗し、首の不調のため3日目から休場していた。

 貴景勝は仁川学院小(西宮市)3年から本格的に相撲を始め、報徳中(同)時代には全国中学校体育大会で優勝した。埼玉栄高を経て2014年に貴乃花部屋(当時)に入門し、突き、押しを武器にスピード出世。18年11月の九州場所で幕内初優勝を果たし、19年3月の春場所後、大関に昇進した。

 新大関だった夏場所で右膝を負傷して途中休場し、名古屋場所は全休して2場所連続負け越しとなったが1場所で大関に復帰し、20年11月場所で11場所ぶり2度目の優勝を遂げるなど、幕内優勝は計4度を数えた。

 一方で首などの不調に悩まされた。今年は初、春、夏と3場所続けて途中休場。かど番だった7月の名古屋場所で5勝10敗と負け越し、通算30場所在位した大関から陥落した。(山本 晃)