昨年の日本レコード大賞を受賞した男性アーティスト「Ｄａ－ｉＣＥ（ダイス）」のボーカル花村想太さん（３１）が５日、兵庫県伊丹市の魅力を市内外に発信する「伊丹大使」に就任した。８～１８歳を伊丹市で過ごした花村さんは「伊丹は学びの多いまちで、音楽を目指す原点にもなった。いつか名所で歌とダンスを披露して配信したい」とＰＲした。（久保田麻依子）

　Ｄａ－ｉＣＥは２０１１年に結成した男性５人組アーティスト。花村さんは４オクターブの音域を持ち、キレのあるダンスで若い世代を中心に人気を集める。楽曲はアニメやテレビドラマの主題歌などに採用され、レコ大に輝いた「ＣＩＴＲＵＳ（シトラス）」は音楽配信サービスなどの総再生回数が２億回を超える大ヒットとなっている。

　５日は伊丹市役所で委嘱式があり、藤原保幸市長からは委嘱状や大使の名刺、市のマスコットキャラクター「たみまる」のぬいぐるみなどが贈られた。

　幼少期を伊丹で暮らした花村さんは、思い出深いスポットとして市昆虫館や市立こども文化科学館などを挙げた。北中学校時代のエピソードでは「音楽の道を目指すと決めたときに、先生が話を聞いてくれて背中を押してくれた」と恩師への感謝を語った。

　藤原市長は「折に触れて伊丹をＰＲしていただき、活気あるまちとして知名度を上げていきたい」と期待を寄せた。

■阪神間の「大使」多彩な顔ぶれ

　「伊丹大使」は、著名人に伊丹の名所の発信や文化振興をアピールしてもらおうと、２００８年からスタートした。

　これまでに女優の有村架純さんや南野陽子さん、プロ野球楽天の田中将大投手、お笑いコンビ「銀シャリ」の橋本直さんら１７人が就任。市制８０周年の２０年には、有村さんと藤原市長が伊丹のまちの魅力を語る対談動画を配信した。橋本さんとお笑い芸人石田靖さんは、市のコミュニティーＦＭで月１回パーソナリティーを務めている。

　阪神間ではほかに、大相撲の貴景勝関（芦屋市）、女優西田ひかるさん（西宮市）、漫画家尼子騒兵衛さん（尼崎市）、飛び込みの寺内健さん（宝塚市）など、多彩な分野の著名人が大使に就任している。