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西日本豪雨被害の復旧完了 宍粟・一宮で式典「安全なまちを次代に」

2021/07/11 05:30

 2018年7月の西日本豪雨で大きな被害を受けた兵庫県宍粟市一宮町で10日、復旧事業の完了を記念する式典が開かれた。同町で被災した中高生の作文発表などがあり、市職員や地域住民ら約90人が災害に強い地域づくりの誓いを新たにした。

 西日本豪雨では、同市一宮町公文で土砂崩れに巻き込まれた男性=当時(63)=が亡くなり、市内で家屋8棟が全半壊するなどの被害が出た。国と県、市による復旧工事は市内302カ所(総事業費約62億円)で実施され、全工事で完了のめどが付いた。

 式典は同町の一宮北中学で開かれ、井戸敏三知事が「7月で退任するが、今後も安全安心を推進する兵庫であるよう願う」とあいさつ。福元晶三市長は「安全なまちを次代につなげる契機にしたい」と述べた。

 続いて、一宮北中1年の長田(おさだ)悠希さんと、武庫川女子大付属高3年の沢田莉琉(りる)さんが作文を朗読する映像が流された。

 長田さんは「地域の人が自宅の土砂撤去に携わってくれた。思いやりのある人が多い宍粟に住んで幸せだと思った」と振り返った。沢田さんは「(西日本豪雨で)命の重さを理解した。生きていることの感謝が高校生活の支えになっている」と話した。

(村上晃宏)

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西播防災武庫川女子大付属高校

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