西播

「夢の超特急」山陽新幹線開業50年 JR相生駅で式典、記念入場券求め長蛇の列

2022/03/15 20:30

 山陽新幹線の開業50年を祝い、JR相生駅(兵庫県相生市)で15日にあった記念式典。ホームには「夢の超特急」に支えられた大勢の地元住民らが集まり、ひかり号の出発を見送った。1972(昭和47)年の開通式から半世紀。新幹線との思い出を振り返る人たちの中には、元運転士の姿もあった。

 午前8時半ごろ、相生駅の改札口前には40人近くが列をつくった。目的は開業50周年で10時から発売される記念入場券だ。新幹線が停車する岡山-新神戸間の5駅セット(1200円)を買うため、先頭の会社員菅原良珠(よしき)さん(53)=相生市=は7時前に到着。「絶対に買おうと、会社は休みました」と笑った。

 ひかり号は午前9時43分に到着し、谷口芳紀相生市長らがホームで出迎えた。JR関係者らのほか、「JR相生駅を愛する会」4代目会長の下田信治さん(58)もあいさつに立った。

 地元鍛造品メーカーの社長でもある下田さんは東京への出張が多く、年間150回近く新幹線を利用することもあるという。「僕にとっては第2の職場。昔は食堂車があって、特にハンバーグがおいしかったんです」と懐しんだ。

 「昔の運転席は座り心地が悪くて」。そう笑うのは同県姫路市の福沢耕介さん(71)。76(昭和51)年に25歳で運転士になり、国鉄の民営化後は山陽新幹線の専属として48歳まで運転席に座った。

 鼻の丸い初代0系から、当時、最新の700系まで運転した車両は5世代。発進の瞬間は常に大勢の乗客の命を背中に感じ、仕事終わりはクタクタだったという。

 「いってらっしゃーい!」。地元の矢野川幼稚園の園児10人の元気な声とともに、ひかり号がゆっくり動きだした。「この日を迎えられたのは、新幹線に関わる全ての人の努力のおかげ」。福沢さんがほほ笑んだ。(地道優樹)

続きを見る
西播

あわせて読みたい

西播

もっと見る 西播 一覧へ

特集