「和」の食材を使ったスイーツが、兵庫県豊岡市で登場している。茶葉のシロップを使ったかき氷と、生地に市内産の豆腐を練り込んだワッフルで、口の中に広がる爽やかさと、軽やかな食感が特徴。炎暑が続く但馬地域で静かな評判を呼んでいる。(丸山桃奈)
植村直己冒険館(豊岡市日高町伊府)内の「カフェ イヌーク」で、夏限定の「冒険茶氷」(700円)が好評だ。カフェは、同館の2021年4月の改装時に開業して以降、季節の果物や行事に合わせた限定メニューを投入。同館の周辺で茶葉がもともと自生していたことに気付き、茶のシロップを使ったかき氷の新商品を発売した。
敷地内で6月に摘んだ新芽を鍋でからいりしたり、もんだりして乾燥。入れた茶をシロップに混ぜ合わせた。優しい甘味と茶葉の風味が楽しめる。
冒険茶氷は、きな粉とわらび餅とともに提供する。ミルク(50円)やアイスクリーム(150円)もトッピング可能。8月いっぱいまで平日限定で販売する。
カフェの主任、加藤崇公(たかゆき)さん(41)は「まさに地産地消。ほうじ茶のような風味を楽しんで」と話す。青リンゴやメロン、ブルーハワイなど7色から好きな色を選ぶ「にじいろ氷」(500円)などもある。
一方、同市中央町の「アユース スイーツ カフェ」は、地元産の豆腐を生地に混ぜ合わせた「おとーふワッフル」を発売した。
豆腐を使うことで通常のワッフルよりも口当たりが軽く、外は歯応えがあり、中はふわっとした食感。「(健康を損なう恐れのある高糖質・カロリー摂取への)罪悪感が少ない」「重すぎない味わい」と、女子高校生や大学生、家族連れに人気という。
今年5月に開業した店舗の目玉商品に据えるとともに、気比の浜海水浴場(同市気比)で営業する浜茶屋(海の家)でも提供する。浜茶屋は9月上旬までの予定だが、本店に比べて商圏が広く、PR効果を狙う。
ワッフルはプレーンとショコラの2種類。アイスクリーム、ホイップ、メープルシロップなどのトッピングソースとともに味わう。550円~700円。
店主の長谷川浩平さん(28)は「豊岡にないものを作りたかった。ヘルシーな甘いものを食べて息抜きしてほしい」と呼びかける。
カフェ イヌークの営業は午前9時~午後5時(注文は同4時半まで)。水曜定休。植村直己冒険館TEL0796・44・1515
アユース スイーツ カフェは午前11時~午後5時半(土日は同4時まで、木曜定休)。浜茶屋は午前10時半~午後4時半(土日は同4時半まで、無休)。TEL090・8165・0218