佐賀県佐賀市にある、猫カフェ(保護猫譲渡施設)が併設されたカーリース店「フラットプラス&Myao(ミャオ)」が猫好きの間で人気を集めている。「カーリース×猫カフェ」という異色コラボ店舗は日本初という。どんな店なのか訪ねてみた。
同店は、佐賀県内でガソリンスタンドなどを展開している木寺石油株式会社(本社・佐賀県武雄市、児玉浩三社長)が運営。今年2月22日の「猫の日」に開業した。佐賀環状東線(県道333号)沿いにあり、店舗の広さは約150平方メートル。建物の半分が新車リースの相談、販売スペース、もう半分のガラス窓で区切られたスペースが、猫カフェ「Myao」になっている。
平日の午後のひととき、中を覗くと、猫たちは窓際で寝転んだり、キャットウォークで遊んだりと、広々したスペースのあちこちで思い思いにのんびり過ごし、4人のお客さんがお気に入りの子と戯れていた。
現在、生後2カ月から4歳までの40匹が一時的にここで暮らし、新しい飼い主を待っている。ほとんどが県内の保健所から引き取った保護猫だ。お客さんは受付で消毒や注意事項を確認した上、1時間千円の「協力金」を払って入場。この協力金は猫たちの飼育費や医療費などに充てられ、余剰金は動物愛護団体に寄付している。
統括部長の今坂孝志さん(42)は「特に週末は大勢の方に来ていただいています。ほとんどのお客さまはカーリースのコーナーをスルーして、猫カフェが目当てですが、大歓迎です(笑)。猫カフェ内では一度に入れる人数を最大12~15人程度までにしているのですが、日曜日はしばらく待っていただかないと入れないときもあります。『家族の一員に迎えたいという方はもちろん、『ペット飼育不可の家に住んでいるから』『家族の1人が猫アレルギーなので』と、猫を飼いたくても飼えない方も来られます」と話す。駐車場が完備(15台収容)されており、家族連れなどが車で気軽に立ち寄れるのも人気の理由のひとつだ。
猫の収容数は「いまが最大で、譲渡が進まないとこれ以上受け入れられない」というが、開業からこの4カ月間で20匹が正式譲渡に至った。
譲渡は3回来店して初めて2週間のトライアルを申し込むことができる。面談や自宅訪問の結果、場合によっては申し込みを断ることもあるという。正式譲渡後も3年間は近況報告するというルールもある。「安易な譲渡は行わず、譲渡後も専門スタッフが飼育の相談にのるなど、新しい飼い主さんのもとで幸せに過ごせるようサポートしています」(今坂さん)
同社がこうした保護猫活動を始めたのは、2015年、猫好きの前社長が知人から「病気の猫を預かってほしい」と頼まれ、本社の一角でその猫を飼ったのがきっかけだったという。その後、保護猫は6匹まで増えたが、譲渡件数はゼロのままだった。
2019年に就任した現在の児玉浩三社長(38)も大の猫好きだ。「しっかりと仕組みを構築し、社会貢献事業として本格的に保護猫活動をやっていきたい」と本社に「保護ねこ課 福にゃん」という専門部署を立ち上げ、動物病院勤務経験者を迎え入れて会社のそばに保護猫施設「福にゃん」を構えた。こちらには現在、12匹の保護猫がいて飼い主を募集している。
同店を開業する際、カーリースだけではなく、譲渡ができる猫カフェを併設し、お客さんに払ってもらった「協力金」を活動資金に充てれば、ここでも保護猫活動を続けていけると考えた。そうして今年2月、猫の日に合わせ、日本初の「カーリース×猫カフェ」店が誕生した。
猫カフェのお客さんの中には、猫カフェに通ううちに、カーリースにも興味を持つようになり、契約に至ったお客さんも少なからずいるといい、相乗効果も少しずつ出始めているようだ。
「保護猫活動をずっと続けていくためには活動を支える資金が必要です。猫カフェに来ていただいたお客さんからの協力金をはじめ、カーリースやガソリンスタンドなどの本業でしっかりと利益を出しながら、保護活動を充実させていきたい」(児玉社長)
猫たちを世話している専門スタッフで「Myao」店長の執行(しぎょう)奈津子さん(35)は、「健康管理が大変ですが、毎日、排尿や排便などをチェックし、猫たちの体調管理には特に気をつけています。一匹でも多くの子たちの赤い糸が繋がり、幸せになれたら」とほほえむ。
佐賀県によると、2020年度、県内の保健福祉事務所に収容、致死処分された猫の数は164匹。「2025年までに県内の猫の殺処分ゼロ達成を目指して、弊社も力になれるよう努めていきます」と児玉社長。最終的にはこうした譲渡施設がなくていい世の中を目指していくつもりだ。
【店名】「フラットプラス&Myao」
【住所】佐賀市兵庫南3-3-13
【営業時間】10~19時(猫カフェは16時受付終了、17時まで)、水曜休
(まいどなニュース特約・西松 宏)
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