兵庫県宝塚市の武庫川中州に制作され、阪神・淡路大震災からの再生を象徴する石積みオブジェ「生」にちなみ、恒久的なメッセージを発信する金属製記念碑「生」(縦1・6メートル、横1・5メートル)が12日、阪急宝塚南口駅近くの武庫川右岸に設置された。
石積みオブジェ「生」は、震災からの再生への祈りを込め、現代美術家大野良平さん(53)=宝塚市=が2005年1月に制作。武庫川の増水で自然消滅するたびに積み直し、現在4代目。有川浩さんの小説「阪急電車」にも登場する。
新しい「生」は、宝塚市内で活動するNPO法人が計画し、大野さんの協力で完成させた。金属製の枠で「生」の文字をかたどり、背景には宝塚大劇場が見通せる。
大野さんは「時を経て(石積みの)『生』が街に溶け込んできた。今回の作品はもう一つの『生』として愛してもらいたい」と話す。
記念碑は市に寄贈。16日夕から一般公開される予定で、当日はろうそくでライトアップし、震災犠牲者を追悼する。(松本大輔)