知人のヘルパー女性(81)から現金約60万円をだまし取ろうとしたとして、兵庫県警尼崎北署は5日、詐欺未遂の疑いで、尼崎市の無職男(62)を現行犯逮捕した。女性がだまされたふりをして男に会うという捜査協力もあって、逮捕に至った。
同署によると男は2日午前、女性が前日に交通事故にあったことを知り、元警察官をかたって電話をかけた。「民事訴訟を起こせば1億円はとれる。そのために日本で2、3番目の弁護士に頼むので300万円が必要」などとうそを言い、女性は5日までに約100万円を渡した。
男がさらに60万円を求めてくると、女性の家族が詐欺を疑い、同署へ相談。5日午後3時ごろ、女性が男と尼崎市東七松町1の橘公園で会う約束をしていたことから、署員は女性にだまされているふりをしてもらって一緒に公園へ向かった。
同署は、女性にピンマイクを装着してもらい、約60万円分の厚みになるよう紙を入れた封筒を用意。公園に現れた男はいくつか女性と言葉を交わし、封筒を受け取ったところで身を潜めていた署員が職務質問、現行犯逮捕した。
男の逮捕容疑は、弁護士費用名目で女性から現金約60万円をだまし取ろうとした疑い。同署は、女性が手渡した約100万円についても詐欺事件として調べる。