1日午後10時半ごろ、兵庫県姫路市飾磨区の民家で、住人の女性(46)が台所で調理中、天ぷら鍋から火柱が上がった。女性はマヨネーズを鍋に入れ、いったんは火の勢いが収まったが、その直後、鍋を冷やそうと水をかけたところ、液体が飛び散り、頬や右腕に軽いやけどを負った。
県警飾磨署によると、女性は調理の合間の30分ほど鍋から目を離したという。民家への延焼や同居する家族3人にけがはなかった。
天ぷら鍋火災の対応としてマヨネーズを使う方法がインターネット上などで紹介されている。マヨネーズに含まれるタンパク質が油の表面に膜をつくり、酸欠状態にして火を消す効果がある、という情報もある。
ただ、姫路市消防局に尋ねると、今回の火災について「マヨネーズを入れたことで一時的に油の温度が下がり、火が消えたように見えたのかもしれない。だが、科学的根拠があるのかは疑問だ」と注意を呼び掛ける。
今回の火災ではマヨネーズの投入以外に、高温の油が入った鍋に水をかけたことも「危険行為」と指摘する。同様のケースの対処法として「住宅用消火器が効果的だが、ぬれタオルを固く絞って鍋に覆いかぶせるのも一定の効果はあるだろう」と話す。(千葉翔大)