貨幣処理機大手グローリー(兵庫県姫路市)は12日、総額約21億5500万円を横領したとされる子会社の元経理担当社員=懲戒解雇=を刑事告訴したと明らかにした。告訴は4月下旬。捜査に影響が出るとして、告訴した警察や罪名など詳細の説明は避けた。
2022年3月期決算を発表するオンライン会見で、三和元純社長が明らかにした。
現金や預金管理、会計処理の厳正化などを定めた再発防止策も併せて公表。三和社長は「貨幣を扱う企業として重大な横領行為を長期間看過してしまい、じくじたる思いだ。失われた信頼を早期に回復すべく、全グループ社員一丸となり取り組みたい」と述べた。
子会社「グローリーサービス」の元社員は09年から、社内の資金を金庫から抜き取ったり、個人の銀行口座に移し替えたりする手口で着服を続けていたとされる。三和社長は報酬の50%を3カ月間、自主返納している。(大島光貴)