総合

官公庁の年末年始に変化 仕事納め式に廃止の波

2019/12/23 13:14

 全国の官公庁で年末の「仕事納め式」や年始の「仕事始め式」を見直す動きが広がっている。無駄をなくし、働き方改革を進めるのが狙い。兵庫県内では神戸市が2年前に仕事納め式を廃止し、伊丹市が来年から仕事始め式を取りやめる。一方、「それだけで職員の負担軽減につながるのか」と変わらず続ける自治体もある。

 神戸市では例年、本庁だけでなく区役所や外郭団体からも幹部が市役所に集まり、仕事納め式を開催。市長が1年間を振り返るとともに職員をねぎらい、翌年の課題や目標を語ってきた。ただ、年始にはほぼ同じ顔触れで「仕事始め式」が行われることもあり、2017年に久元喜造市長が廃止した。

 代わりに市長のメッセージを全職員にメールで送っており、最初の年には「変えるべきものは変えるなど、働きやすい職場環境を実現していきましょう」と呼び掛けた。仕事始め式についても、庁舎再整備で多くの部署が仮移転をしていることから新たな手法を検討。本庁以外の幹部が市長訓示の動画を各自のパソコンで見られるようにし、効率化を図る予定という。

 尼崎市は窓口業務への影響を考えた結果、2006年を最後に仕事納め式を取りやめた。副市長の退任を兼ねて異例で実施した年もあるが、今年は行わない見込み。担当者は「年末年始の公休に合わせ、有給休暇を取りやすい環境づくりにもつながる」とする。

 兵庫県や西宮市、明石市も仕事納め式は開かず、仕事始め式のみ実施。伊丹市も同様だったが、来年は仕事始め式も廃止する。年明けには市民対応の窓口が混み合うため本来業務を優先することに加え、慣例的な庁内会議や式典の見直しにつなげる狙いもある。

 一方、仕事納め式も仕事始め式もそろって開いているのは姫路市。いずれも約300人が集まるが、通常5~15分で終わるため、「たとえ廃止しても働き方改革につながると言えるかどうか…」と担当者。原則は業務優先を呼び掛けており、今年も両方を開く予定にしている。

 廃止の動きは全国でも目立つ。長野県は2018年度から仕事納め、仕事始めの両式典を取りやめた。広島県や茨城県などは今年から、年頭の仕事始め式を中止している。(末永陽子、石沢菜々子)

続きを見る

あわせて読みたい

総合

もっと見る 総合 一覧へ

特集