造船作業によるアスベスト(石綿)の健康被害を巡り、1954~70年に川崎重工業神戸工場で船のボイラー製造に携わり、2013年に中皮腫で亡くなった元同社従業員の男性=当時(74)=の遺族が国に損害賠償を求めた訴訟は23日、神戸地裁(阿多麻子裁判長)で和解が成立した。14年の大阪・泉南アスベスト訴訟最高裁判決に基づき、国が約840万円を支払い謝罪する。
最高裁判決は国が石綿工場で過去に局所排気装置の設置義務付けを怠ったと認め、賠償責任が確定。造船では作業場所が変わることが多く、国の責任を問いにくかったが、遺族側は、男性が長年、屋内の決まった場所で作業したと主張した。
遺族側の大阪アスベスト弁護団(TEL090・3273・0891・平日午前10時~午後6時)は「被害が埋もれている」とし、類似の相談を受け付けている。









