建築と人との関係をテーマにした特別展「建築と社会の年代記-竹中工務店400年の歩み-」(神戸新聞社など主催)が11日、神戸市中央区の市立博物館で開幕する。10日、関係者による内覧会があった。1899(明治32)年、神戸で創立された同工務店の代表建築を、図面や模型、写真など約千点の資料で紹介。建物が社会にどう受容されてきたかをたどる。
同工務店は昨年、創立120周年を迎えた。創業家と建築との関わりは、織田信長の普請奉行を務めた工匠の時代にまでさかのぼり、約400年の歴史がある。
本展では約500件の建築を、江戸期の木造寺社から明治以降の洋館に至る近代化の歩みに焦点を当てた「はじまりのかたち」、オフィスビル中心の「はたらくかたち」など、八つの「かたち」で展示。同工務店の特徴の一つ、タワー建築は「夢を追うかたち」で紹介し、東京タワーの工事の様子を収めた動画もある。
災害が多発する現代、建築の未来を考えるのが「みんなのかたち」。阪神・淡路大震災で全壊した神戸新聞会館とその跡地に新築したミント神戸、旧神戸居留地十五番館復旧の取り組みにも触れ、建築と都市のあり方も考える。
3月1日まで。1月13日と2月24日を除く月曜、1月14日、2月25日休館。一般千円ほか。同博物館TEL078・391・0035
(金井恒幸)