新型コロナウイルスの感染者に対応するため、兵庫県立健康科学研究所(加古川市)は、ウイルスを検出するための約100検体分の試薬と検査マニュアルを準備した。県内で感染が疑われる患者が出る事態に備え、検査手順を確認している。
新型ウイルスの感染が疑われる場合、県立健康科学研究所には県内各地の健康福祉事務所や保健所(神戸、姫路、尼崎市を除く)から患者の粘液などの検体が送られる。
検査試薬自体も新型ウイルスの遺伝子の一部。同じ種類のウイルスを増やす働きがあり、検体に新型の遺伝子が含まれていれば確認できるという。患者1人につき複数の検体を調べるケースもある。確認までの時間は最短で4時間。感染が判明した患者は、県立加古川医療センターなど県内9カ所の指定医療機関に入院する。
同研究所感染症部には1月下旬、国立感染症研究所(東京都)から試薬と検査マニュアルが届いた。試薬を使ったウイルスの検出テストにも成功。健康科学研究所では現在3人態勢だが、感染者が増えれば増員し、試薬も追加するという。
同研究所感染症部の秋山由美部長(58)は「ウイルスが変化する可能性もある。どんな場合も素早く、確実に検査できる態勢を維持したい」と話す。(本田純一)