指定暴力団山口組(当時)の分裂騒動を機に発足した指定暴力団「任侠山口組」(兵庫県尼崎市)について、兵庫県公安委員会は17日、暴力団対策法に基づき、名称を「絆會(きずなかい)」に変更すると官報で公示した。同組が1月、組員に改名を通達したことを受けた措置。
県警によると、2018年末時点で任侠山口組の勢力は15都道府県に及び、構成員は約400人。改名後も体制は同じとみられ、指定暴力団としての指定期間や所在地、代表者にも変更はない。
1月中旬に出された通達では、結成時の目標に掲げた山口組の再統合が、現状では困難と判断したため改名するとしていた。捜査関係者によると、抗争の激化で特定抗争指定暴力団となった山口組と神戸山口組から距離を取る狙いがあるとの見方も出ている。
分裂騒動は、15年に山口組から一部勢力が離脱し、神戸山口組を結成したことで露見。さらに17年、神戸山口組が分裂して任侠山口組が発足し、以降は“三つの山口組”の争いが続いていた。
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