囲碁の第45期天元戦(神戸新聞社主催)を制した井山裕太天元(30)=棋聖、本因坊=の允許状授与式が28日、東京・日本棋院で行われた。
井山天元は許家元八段(22)の挑戦を3勝2敗で退けて5連覇を果たし、「名誉天元」の称号を名乗る資格を得た。林海峰名誉天元に次ぎ、史上2人目となる快挙だった。
日本棋院理事長の小林覚九段から允許状を受け取った井山天元は「許さんとの厳しい戦いを勝ち切ることができたのは、大きな自信になった。一局一局の積み重ねでここまでこられたと思います。できることを精いっぱい積み重ね、少しでも前進できるよう精進したい」とあいさつした。
井山天元には賞金と名誉天元を祝う功労金の目録、記念品として人間国宝の陶芸家、加藤孝造さん(岐阜県多治見市)作の「志野花入」が贈られた。
この日は関係者を集めた就位式を東京都内で開く予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止し、允許状授与式のみとなった。