3日、相次いで新型コロナウイルスの感染者が確認された神戸市。昼、夜と慌ただしく会見を開いたが、プライバシーなどを理由に感染者の居住区や、通勤で使っていた公共交通機関を明かさなかった。40代男性は、感染経路が特定できない「市中感染」が否定できず、兵庫県の井戸敏三知事も懸念を口にした。
会見した市幹部は、発熱の症状が出た2月27日以降の男性の行動歴について、「会社を休み、タクシーや鉄道を使って病院を受診した他は、近所のコンビニに行く程度」と説明。「1人暮らしで、濃厚接触者は確認されていない」とした。
感染経路に結びつく26日以前については、勤務先は「市内」、通勤手段は「鉄道」など最小限の説明にとどめた。
40代女性については、複数の感染者が確認されている大阪市のライブハウスのコンサートに参加していたことを公表する一方、その他の行動歴は「現在ヒアリング中」とした。
感染者の情報提供を巡っては、具体的な行動内容を公開しない自治体が多い。一方、大阪府は立ち寄り先や時間帯を公開する独自の基準を設け、姫路市も立ち寄り先などを原則公表する方針を示している。
井戸知事は定例会見で「心配するのは、社会的な感染の始まりを示す事例なのかどうか」と市中感染の懸念に触れた。
「もし市内が感染の直接の契機だとすれば社会的感染の恐れがある」と指摘。一方で「北海道のようにはなっておらず、(そこまでは)至っていないのではないか」と言葉を選んだ。(長谷部崇、井関 徹)









