• 印刷
公演のキャンセルが相次ぐライブハウス「チキンジョージ」。感染が終息する日を待ち望む=神戸市中央区下山手通2
拡大
公演のキャンセルが相次ぐライブハウス「チキンジョージ」。感染が終息する日を待ち望む=神戸市中央区下山手通2
玄関に用意された消毒液=神戸市中央区下山手通2
拡大
玄関に用意された消毒液=神戸市中央区下山手通2

 新型コロナウイルス感染症の拡大で、ライブハウスが苦境に立っている。大阪市のライブハウス2店を訪れた人の感染が、兵庫県を含む全国で相次いで判明。各地で公演が中止や延期となり、営業を継続するか中止するかで判断は割れている。神戸の老舗ライブハウスは「人命、健康を最優先にしながら、ファンのために」と踏ん張るが、先行きは不透明だ。店内の清掃や消毒など感染予防に全力を挙げ、終息の日を待つ。

 神戸市中央区のチキンジョージは、開店40周年を迎える老舗。2月中旬ごろから、公演を予定するミュージシャンと事務所から中止や延期の連絡が入り始めたという。2、3月はイベントの2割がキャンセルになり、客も1割ほど減った。

 公演のキャンセルが続き、収入が急減する若いアーティストのことを考えると、感染終息後の日程調整を急ぎたい。しかし、大阪市内のライブハウス2店では訪れた客のウイルス感染が拡大。兵庫県の5人を含め、東京都から熊本県までイベントに参加した約40人の感染が確認された。

 チキンジョージの担当者は「いつ終息するかが読めない」と頭を抱える。玄関に消毒液を準備し、加湿器も増やして予防を徹底しているが、状況は厳しさを増すばかり。阪神・淡路大震災での全壊を乗り越えた自負を胸に、「若いミュージシャンが演奏し、羽ばたいていった場所。音楽のともしびは消したくない」と話す。

 県内の店舗は、ミュージシャンの意向を尊重しながら一部公演を中止しつつも、細々と経営を継続する。ある関係者は「ライブハウス自体に悪い印象をもたれる流れがある」との風評被害の拡大を懸念していた。

 一方、政府の要請を受けて営業を停止する施設も。阪神電鉄系で大阪、東京に2店を構えるビルボードライブ(大阪市北区)は、11日まで計36公演を中止した。12日以降は営業を再開する予定だが、海外アーティストの渡航状況、政府の方針次第で中止が続く可能性もある。

 担当者は「再開できる時に備えて掃除、消毒を徹底的に行い、憧れのミュージシャンのパワーを安心して感じられる環境づくりに全力を尽くしたい」と前を向く。(津谷治英)

【記事特集リンク】新型コロナウイルス

 

天気(9月7日)

  • 33℃
  • ---℃
  • 20%

  • 37℃
  • ---℃
  • 40%

  • 35℃
  • ---℃
  • 20%

  • 36℃
  • ---℃
  • 30%

お知らせ