日本を代表する劇作家で不条理劇の第一人者とされた、兵庫県立ピッコロ劇団の前代表別役実(べつやく・みのる)さんが3日午前0時12分、肺炎のため、東京都杉並区の病院で死去した。82歳。葬儀・告別式は親族のみで済ませた。喪主は長女林怜(はやし・れい)さん。後日、「しのぶ会」を開く予定。
1937年、旧満州(中国東北部)生まれ。58年、早稲田大入学後に演劇を始め、鈴木忠志らと劇団「自由舞台」(後の早稲田小劇場)を旗揚げした。
リアリズム演劇が主流だった時代に、カフカやベケットの影響を受け、日常に潜む不条理を乾いた笑いに包んで表現する不条理劇を確立。「不思議の国のアリス」「山猫理髪店」「やってきたゴドー」などの名作を生み出し、日本の演劇界に大きな影響を与えた。「マッチ売りの少女」(66年)、「赤い鳥の居る風景」(67年)で新劇岸田戯曲賞(現岸田国士戯曲賞)。日本劇作家協会会長も歴任した。
ピッコロ劇団には1995年の「風の中の街」をはじめ11作品を書き下ろした。03年、同劇団の2代目代表に就任し、09年まで活動した。
パーキンソン病と診断され、療養生活を続けながらも執筆活動を継続。18年までに144本の作品を発表した。
演劇評論家の大笹吉雄さんは「日常からずれて非日常の世界に移るときにユーモア、笑いを交えたのが特徴で、舞台に電信柱を置き、誰が見ても別役さんの世界というイメージをつくり上げた」とたたえる。「後進の演劇人にもリスペクトされた存在だった。長年、別役さんの世界を見続けてきただけに寂しい」と話した。









