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新型コロナで観光施設が経営危機 宍粟市、三セク2社の赤字補填

2020/03/16 23:46

 兵庫県宍粟市の第三セクターで、同市北部で観光関連施設を運営する2社が歴史的な雪不足と新型コロナウイルス感染拡大の影響で経営危機に陥っているとして、市は16日、両社に計6千万円の赤字補塡金を支出する2019年度一般会計補正予算案を市議会に提出した。23日に採決される。

 宿泊施設のフォレストステーション波賀や楓香荘などを営む「宍粟メイプル」と、道の駅などを運営する「播磨いちのみや」。市によると、雪不足によるスキー客の激減で道の駅の利用が減ったほか、新型コロナの影響で宿泊客のキャンセルも相次ぎ、通期の経常利益は宍粟メイプルが約1810万円の赤字、播磨いちのみやは同610万円の赤字に陥る見込みという。

 両社とも近年は赤字続きで内部資金が枯渇していたが、19年度の上半期はそろって黒字を確保。通期でも黒字に転換する見通しだったが、現状のままでは3月末で資金不足に陥るとしている。

 市はこれまで運転資金を貸し付けたことはあったが、赤字補塡金を支出するのは初めて。いずれも市の施設を運営する指定管理者で担保物件がなく、金融機関からの借り入れは難しいという。

 支出を見込む6千万円の内訳は宍粟メイプルが5千万円、播磨いちのみやが1千万円。両社とも内部資金を確保し一層の経営基盤強化を図るため、赤字見込み額以上の資金を出す考えだ。

 市は「どちらも市北部の雇用や観光に多大な貢献をしており、破綻すれば市民生活への影響が大きい。市が設置した公益性の高い会社なので、経営を立て直してもらいたい」としている。(古根川淳也)

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