「休業補償があれば、すぐにでも休みたいが…」。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、兵庫県が民間施設への休業を要請する方針を固めたのを受け、対象に含まれる見通しとなった街の映画館からは悲痛な声が漏れた。
神戸・新開地の名画座「パルシネマしんこうえん」。通常135席のところを50席の利用にし、観客には間を2席ずつ空けて座ってもらっている。他にも、1日5回の上映回数を4回に減らす▽換気の徹底▽アルコール消毒▽出勤者を減らす-など打てる手は全て打ってきた。
支配人の小山岳志(たかし)さん(35)は「ここをつぶさずに済み、従業員に給料を支払えるなら、すぐにでも休む」と話すが、県は休業に伴う補償は見送る予定。要請に応じて閉館が長引けば、経営は立ちゆかなくなるが、それも視野に入れざるを得ない状況だ。「願いは一つだけ。新型コロナの終息後、通常の営業を再開すること」と訴える。(山崎 竜)
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