20日付で近畿管区警察局長に転出する兵庫県警の加藤晃久本部長(57)が17日、県警本部で離任会見した。新型コロナウイルス感染が判明した神戸西署の幹部の懇親会について、県警が当初「なかった」と説明したことに触れ、「事実確認に行き違いがあった。厳しいご意見、ご批判を重く受け止めている」と話した。
同署では当時の署長や副署長ら幹部7人が3月27日、異動に伴う懇親会を居酒屋で開催。4月7日、参加した警視の感染が確認された。副署長は9日、県警本部の問い合わせに「懇親会は開いていない」と回答。しかし、外部からの指摘を受け、10日に再び尋ねると「開いた」と認めた。副署長は「(4月7日より)10日以上前だったので、27日は含まれないと思っていた」と説明したという。
加藤本部長は会見で、人数を絞るなどの配慮があったとして「(開催自体を)非難する考えはない」と述べた。
昨年3月からの在任期間を振り返り、力を入れた取り組みとして、暴力団対策▽20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)などの警備対策▽県警組織の再編整備-を挙げた。
特に暴力団対策では、対立抗争に伴う殺人事件の解決や、山口組と神戸山口組を「特定抗争指定暴力団」に指定した判断に触れ、「暴力団対策法上、打てる手は打ち、封じ込めは成功したと考えている」と強調。「新たな時代への転換期に、兵庫で暴力団対策に従事できたのは貴重な経験だった」と述べた。(岡西篤志)
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