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楠目さんがより使いやすいように改良したエーロゾルボックス(楠目さん提供)
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楠目さんがより使いやすいように改良したエーロゾルボックス(楠目さん提供)
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楠目晃大さん
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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療従事者がリスクにさらされる機会が増えている。感染者や疑いがある人に人工呼吸器を装着する際、患者の頭にかぶせて医師を飛沫(ひまつ)から守るアクリルケース、通称「エーロゾルボックス」を神戸市の工業デザイナーが改良した。東京にいる医師の兄から依頼され、徹夜で製作。兄が働く病院に送ったところ、さっそく現場で使用されているという。

 今月独立し、同市兵庫区に事務所「DBYM(ディーバイエム)」を構えた楠目晃大(くすめあきひろ)さん(28)。1級建築士の資格を持つ。

 エーロゾルは空気中を浮遊する微小な粒子。せきやくしゃみで排出された飛沫は大半が地面に落ちるが、一部はウイルスを含んだまま空気中を漂う。新型コロナ感染拡大の一因になっているとの指摘もある。

 楠目さんによると、エーロゾルボックスは手を入れるための穴が二つ開いた透明のケースで、台湾の医師が考案した。人工呼吸器などを装着する際、気管挿管する医師がウイルス感染するのを防ぐのが目的で、誰もが作製できるように設計図が公開されている。

 楠目さんは今月4日、病院のコロナ対応チームに配置された兄の宝大(たかひろ)さん(32)から「作れないか」と相談され、存在を知った。翌日の朝までかかって完成させ、6日に送付。設計図を工夫して同じケースを積み重ねられる形状にし、除菌シートで拭きやすいように角も丸めたという。

 7日には宝大さんから「もっと作って」と要請され、知人から大阪府東大阪市のアクリル加工会社を紹介してもらい量産体制も整えた。

 楠目さんは「いつか兄と協力し、医療に貢献できればと考えていた。ものづくりの立場から今回の問題に役立ててうれしい」と話している。問い合わせはDBYMのホームページで。(上杉順子)

 

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