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寄贈されたマスクを前にタイガーマスクの似顔絵を持つ牟礼正稔市長=赤穂市役所
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寄贈されたマスクを前にタイガーマスクの似顔絵を持つ牟礼正稔市長=赤穂市役所

 コロナ禍でも“タイガーマスク”は健在だった-。漫画「タイガーマスク」の主人公・伊達直人を名乗り、30年以上にわたって兵庫県姫路・西播の児童養護施設にランドセルやケーキを贈ってきた男性が、同県赤穂、相生、たつのの各市役所にマスクを千枚ずつ寄贈した。それぞれマスク不足が懸念される医療機関などに配布し、善意を役立てる。

 マスクが届いたのは4月22日。男性が描いたタイガーマスクの似顔絵とともに、手書きでこんなメッセージが添えられていた。

 「皆さま方がコロナ対策に立ち向かいながら市民を守る姿勢に感謝申し上げます」

 温かいエールに、赤穂市の牟礼正稔市長は「本当にありがたい。思いやりの精神『恕』を院是に掲げる市民病院に届け、医療従事者の役に立つよう活用したい」と話した。

 男性が児童養護施設へ贈り物をするようになったきっかけは、書店で目にした一場面だった。1人の少年が参考書を手に取っては元に戻していた。後に、この少年が児童養護施設で暮らし、自由に使えるお金を持っていなかったと知った。そこで、その施設に図書カードを贈った。以降、姫路と西播磨の5施設にランドセルやクリスマスケーキを贈り続けている。

 男性は2018年に大きな手術を受けた。1カ月の入院生活を経て退院すると、施設の子どもたち245人と職員らから励ましの寄せ書きが届いていた。

 「いつもありがとう」

 「お体を大切に」

 「ゆっくり休んで元気になって」

 当時の取材に男性はこう話した。

 「本名も顔も知らない自分のことを子どもたちがこれほど心配してくれるとは。これからも細く長く支援を続けていきたい」

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