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外出自粛を呼び掛ける警察官ら=17日午後、神戸市中央区(撮影・後藤亮平)
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外出自粛を呼び掛ける警察官ら=17日午後、神戸市中央区(撮影・後藤亮平)

 新型コロナウイルスの感染拡大予防で「ソーシャル・ディスタンス」(人と人の間に十分な距離を取ること)が求められる中、兵庫の警察官も職務質問(職質)などの際に工夫を凝らしている。所持品検査を拒否されぬよう手袋を着けたり、話を聞くことがあるパトカー内をこまめに消毒したり。表情が隠れてしまうマスクが、質問の足かせになることも。17日から始めた外出自粛を求める街頭活動でも、声の掛け方などに気を配っている。(堀内達成)

 「こんな時期やねんから手袋ぐらいして」。3月下旬の夜、宝塚市内のコンビニ。駐車中の車に乗っていた男性に声を掛け、警察官が持ち物検査をした際、男性からそう求められた。

■濃厚接触

 兵庫県警地域指導課は現在、体に触れる際、職質対象者が望む場合は手袋を着けるよう現場に助言する。通常は小さな物体が分かりにくくなるため使用しないが、相手の感情に配慮した。また生田署はパトカー内で対象者から話を聞くこともあるため、車内をこまめに消毒しているという。

 職質分野で警察庁指定広域技能指導官を務める垣内光一警部補は、「濃厚接触を恐れて距離を取っていては仕事にならない。でも相手の気持ちを考慮し、3密にならぬよう気を付けないといけない」と話す。

■マスクの内側

 また、マスクによる影響もある。対象者に声を掛ける際、相手の緊張をほぐすため警察官は柔和な表情で近づく。しかし現在はマスクで表情が見えないため、相手との距離を縮めることが難しい。垣内警部補は「通常よりも言葉を丁寧にして応じてもらうしかない」とする。ほかにも「違法薬物などをマスクの内側や口の中に隠していないか、注意する必要がある」と指摘する警察官もいる。

 逆に相手がマスクをしていることによる弊害は、意外と少ない。職質の際、相手の表情だけでなく、その場所や服装、しぐさなどから総合的に不審点を見つけるため、マスクを着用していてもそこまで困らないという。

 県の協力要請を受け、県警は17日から、神戸・三宮の繁華街や尼崎の歓楽街などで外出自粛を呼び掛けている。地域指導課は「警察に強制する権限はない。『お願いします』という姿勢でやんわりと声を掛け、相手から反感を買わぬように行き先などは深掘りしないようにしている」とする。現在までのところ、目立ったトラブルはないという。

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