6月1日まで臨時休館している横尾忠則現代美術館(神戸市灘区)は、企画展「横尾忠則の髑髏(どくろ)まつり」(5月30日~8月30日)の開催中止を発表した。新型コロナウイルスの影響で、他館からの作品借用や会場設営が困難となったことなどが理由という。(堀井正純)
同展は、横尾アートの中の「骸骨(がいこつ)」のモチーフや、「死」のテーマに着目し構成。昨年夏ごろから準備を進めていた。幻となった展覧会の内容を知ってもらおうと、同館では5月10日から、ツイッターやフェイスブックなど会員制交流サイト(SNS)で順次紹介している。
まず、横尾さん本人がデザインした同展ポスターを公開。男女ペアの骸骨2体がダンスする様子を中心にした図案で、中世末の欧州で描かれた、いわゆる「死の舞踏」のテーマが下敷きとなっている。
「死の舞踏」の絵画が誕生した背景には、当時、無数の人々の命を奪ったペストの大流行があるとされ、新型コロナウイルス禍に見舞われた現代世界の現状と奇妙に重なるようでもある。
なお、同館では、5月10日に閉幕予定だった「兵庫県立横尾救急病院展」の会期を8月30日まで延長した。同館TEL078・855・5607









