新型コロナウイルス対策の休業要請が一部解除されたのを受け、臨時休館していた神戸市立の美術館・博物館4館や白鶴美術館(同市東灘区)が19日、再開した。大丸松坂屋百貨店も同日、大丸神戸店(同市中央区)など兵庫県内の3店の営業を、平日に限り全面再開した。感染拡大への警戒を保ちながら、街が少しずつ日常を取り戻し始めた。
神戸市立小磯記念美術館(同市東灘区)は約40日ぶりの開館。延期となっていた所蔵品による企画展「小磯・ポーズ・デッサン」がようやく開幕したが、午前中の観客はまばらだった。
チケット窓口では、非接触型の検温器で職員が入館者の体温をチェック。30分ごとに、マスク着用や作品鑑賞時の約2メートルの距離の確保などを呼び掛ける館内アナウンスを流した。同館の廣田生馬学芸係長は「入場者が増えてくると、入場制限も考えないといけない」。同様に再開した各施設の関係者は「展示を見てもらいたいが、大声で来てほしいとは言いづらい」と複雑な思いも打ち明ける。
一方、大丸神戸店も、7日から地下1階の食品フロアなどで営業を再開していたが、全面営業はこの日が約40日ぶり。土日曜は食品売り場も含め全館休業する。
この日は開店時間の午前11時前から、東側玄関前には買い物客約80人が列をなした。担当者によると、同店では売り場の約8割で商品入れ替えなどの準備が完了。従業員は買い物かごやカートを小まめに消毒したり、マスクやフェースシールドを着けて接客したりした。
21日には阪急阪神百貨店が、神戸阪急(神戸市中央区)など県内の計8店の営業を全面再開する予定。そごう西神店(同市西区)は22日に全館で営業を再開する。(堀井正純、三島大一郎)