新型コロナウイルス対策の休業要請が一部解除されたのを受け、臨時休館していた神戸市立の美術館、博物館など5館が19日、営業を再開した。だが緊急事態宣言は解除されておらず、「大声で来てほしいとはいいづらい」と関係者。ウイルス対応に悩まされる日々は続きそうだ。(堀井正純、三島大一郎)
神戸市立小磯記念美術館(同市東灘区)は約40日ぶりのオープン。企画展「小磯・ポーズ・デッサン」がようやく開幕した。
チケット窓口では、非接触型の体温計で職員が入館者をチェック。マスク着用や作品鑑賞時の距離の確保などを30分ごとに館内アナウンスで呼び掛けた。
1日の観客は約30人と静かな再開。「混み合ってくれば、入場制限も考えないといけない」と担当者。兵庫県外からの不急の来館は自粛を求めている。
同市立博物館(同市中央区)は常設展示のみを再開。多数の観客が予想される特別展「コートールド美術館展」は開幕を見合わせている。神戸ゆかりの美術館(同市東灘区)は「生誕120年 別車博資展」が1カ月以上遅れて開幕。金井紀子学芸員は「展覧会は見てもらってこそ意味がある。入場者の方の姿を見たときは、うれしくて手を合わせたくなった」と話した。
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大丸松坂屋百貨店も19日、兵庫県内3店の営業を平日に限り全面的に再開した。土・日曜は食品売り場も含めて休業する。
約40日ぶりの全面営業となった大丸神戸店(同市中央区)。開店前、再開を待ちわびた人が列をつくった。次女のランドセルを買いに来た神戸市灘区の会社員女性(37)は「百貨店が開いていると安心する。日常回復に向けて少し前進した気がします」とほっとした様子。担当者によると、食品フロアなど一部のみを営業していた18日と比較すると、2倍以上の人出があったという。
21日には阪急阪神百貨店が、神戸阪急(同市中央区)など県内8店の営業を全面再開させる。
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