新型コロナウイルス感染防止策で登園自粛を促していた兵庫県内の保育所も、緊急事態宣言の解除を受け、仕事を再開した保護者の子どもらを受け入れ始めた。神戸市は医療従事者などの子どもに限っていた「特別保育」の対象を広げ、6月中旬にも通常保育に移行する見通し。だが感染への懸念が消えたわけではなく、現場には戸惑いが残る。
「長かったなぁ」
認定こども園「心の森」(神戸市垂水区)では25日、保育士が、久々に園に姿を見せた親子に明るく呼び掛けた。
特別保育の間、約90人が通う同園で1日当たりの登園者は数人から十数人。25日は20人以上が登園し、今後も徐々に増えると予想されるが、奥平浩太郎園長(63)は「だっこやなでることが日常で、『密』を避けるのは難しい。消毒回数や換気で開放する窓を増やすなど、従来の対策を徹底する」と気を引き締める。
長く家にいた園児が親と離れるのを寂しがる姿も。数日前から約1カ月半ぶりに園に通うのを再開した女児(2)の母親(37)は「仕事中に育児を頼む親類も体調が悪く、無理をさせられない。この子もストレスでぐずることが多くなった。園での預かりは助かるが第2波も怖い」と涙を流すまな娘に複雑そうだった。
「せっかくここまで踏ん張ってきたのに、すぐには行かせられない」と話すのは、神戸市内の保育園に3歳の息子が入る30代の女性会社員。1カ月以上、小学1年の兄と合わせ2人の面倒も見ながら、在宅勤務を続けてきた。「教師に保育士、会社員と母親、主婦…。どれだけ兼任させられるのか」とこぼす一方、同僚に後ろめたさもある。ただ「コロナの怖さが分かった今、慎重になってしまう」と園の利用をためらう。(佐藤健介)
【記事特集リンク】新型コロナウイルス











