新型コロナウイルス感染の「第2波」に備え、神戸大学は25日、兵庫県と連携して県内2千人の抗体検査を始めたと明らかにした。感染で体内にできるタンパク質(抗体)の有無で感染歴が分かるといい、既に検査を終えた兵庫県立加古川医療センター(加古川市)では、医療従事者509人全てが陰性で感染者はいなかった。同大学は「適切な予防をすれば患者からの感染は防げる」としている。
神戸大学によると、医療従事者の感染の広がりを調べるため、5月上旬に加古川医療センターで抗体検査を実施。医師77人や看護師310人など509人(男性88人、女性421人)の全てが陰性だった。一方、同センターに入院したコロナ患者のうち10人の検査では全員が陽性となり感染が確認できたという。
検査は北播磨総合医療センター(同県小野市)でも行われ、今後、同県立姫路循環器病センター(姫路市)でも計画されている。
抗体検査を巡っては、神戸市立医療センター中央市民病院が2日、外来患者千人の検査で3・3%が陽性だったと発表。25日に会見した神戸大学感染症センター長の森康子教授は「予想外の良い結果。加古川医療センターの職員も数%は陽性が出ると予想していた。市中での感染は思ったより広がっていない」と話す。(霍見真一郎)
【記事特集リンク】新型コロナウイルス