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禅ダイスを手にする大西淳滋郎社長=加古川市加古川町備後
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禅ダイスを手にする大西淳滋郎社長=加古川市加古川町備後
麻の葉柄の布で包み、きり箱に収める禅ダイス。海外向けに和のイメージを打ち出す=加古川市加古川町備後
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麻の葉柄の布で包み、きり箱に収める禅ダイス。海外向けに和のイメージを打ち出す=加古川市加古川町備後

 兵庫県加古川市内の老舗仏具店が、仏壇職人の技を凝縮したさいころを開発した。その名も「ZEN-DICE(禅ダイス)」。日本の技術力と文化力を海外に発信しようと、インターネット上で資金調達する米国のクラウドファンディングのサイトで販売している。さいころを振って勝負に出た社長は「新型コロナウイルスで内向きな雰囲気が日本を覆っている今こそ、挑戦したい」と意気込む。(小尾絵生)

 さいころを考案したのは「ごくらくや佛檀(ぶつだん)店」(同市加古川町備後)の社長、大西淳滋郎さん(61)。

 同社によると近年はライフスタイルが変化して、仏壇は小型化が進み、平均単価が大きく下がっている。縮小する国内市場の外にも活路を見いだそうと、世界に発信できる商品を模索してきた。

 さいころは海外ではボードゲームの道具として親しまれ、収集家も多いという。大西さんは「文化や人種を超えて理解しやすい。古くから占いの道具として使われ、宗教との縁も深い」と話す。

 もともと仏壇を作る際に出る端材を使ってさいころを作るのが趣味だったという大西さん。さいころは新型コロナがもたらした外出自粛があってもほぼ社内で製造できる。一気に新商品開発への機運が高まった。

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 海外向けに販売する禅ダイスには、仏壇によく使われるクスノキを採用。防虫効果があるほか、邪気を払うとされ、コロナウイルスによる混乱が収束するよう願いも込める。外国人に浸透している日本語「禅」を名前に付け、和のイメージを前面に打ち出した。

 製造を担うのは、同社の仏壇職人3人。板材から立方体を切り出す▽角を取って表面を滑らかに仕上げ、数字などを彫刻する▽箔(はく)を貼る-といった工程をそれぞれ分業する。色は木の素材感をそのまま残したナチュラルと箔を貼った金、いぶし銀、紫の計4色。目はアラビア数字とドットの2種類がある。

 クラウドファンディングのサイト「キックスターター」(英文)では5個1セットで、ナチュラルのドットと無地▽箔とナチュラルのドット▽箔とナチュラルのアラビア数字-の3パターンを用意。麻の葉柄の布に包み、きり箱に収めた。

 5千~1万円で、今月22日まで販売する。既に海外から注文があり、資金調達の目標額10万円は突破し、9日現在、約21万円分の注文が入っている。店頭などでも8月ごろに販売する予定。ごくらくや佛檀店TEL0120・41・5968

 

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