新型コロナウイルスに感染した兵庫県警神戸西署の前署長と前副署長=いずれも同署付=について、県警が本部長による厳重口頭注意処分とし、異動させる方針を固めたことが11日、関係者への取材で分かった。飲酒を伴う会合や人数を減らさない幹部連絡会を開くなど感染防止に配慮を欠き、大きな混乱を招いたことが理由。処分は15日付、異動は19日付を予定しているという。
神戸西署では4月7日以降、前署長や前副署長を含め署員計12人の感染が判明。自宅待機となった署員らに代わり、1日最大約140人が応援に入った。この間、約20日間にわたり、道路使用許可申請など一部の業務が屋外で行われた。
3月27日夜に同署近くで開かれた酒席には前署長ら7人が参加し、うち5人が感染。県警トップの当時の本部長は人数を絞るなどの配慮があり、「非難しない」としたが、5月末までに約700件の意見や批判が寄せられた。
県警は、2人に規律違反はなかったとして、重大な信用失墜行為を起こした場合などに適用する懲戒処分とはしなかった。また、現在の署長らで新体制を構築する方が、住民からの信頼回復や現場の士気高揚につながると判断し、2人の異動を決めた。